誌上授業 第1回 ―関係代名詞―(4)
前回の記事の続きです。
◆第4章:目的格の関係代名詞
1. 先行詞が「モノ」の場合
今回も、次の2文を見てみましょう。
This is a letter. (=これは、手紙です。)
I wrote the letter last night. (=私は、その手紙を昨夜書きました。)
昨今、お手紙を書く人はそうそういないかもしれませんがまあお付き合いください(笑)
第2章と同じく、2文の中でイコール関係になるモノに下線を引きました。
今回は”a letter”を先行詞にして、関係代名詞を使って1文につなげてみたいと思います。
ひとまず、先行詞の”a letter”までは一続きに文を書いてしまって構いません。
その後、今回は先行詞が”a letter”、つまりモノなので関係代名詞は"which"が使えるというのは第2章のお話と変わりません。
その後、”a letter”とイコール関係になっている2文目の”the letter”を書かずに、それ以外の単語を全て並べれば完成です。
つまり
This is a letter which I wrote last night.
という文が出来上がります。
この文も文構造を見ておきましょう。
This is a letter [ which I wrote last night ].
もちろん、今回も [ ] の中身が全て”a letter”の説明になっています。
上手く訳すと、「これは、私が昨夜書いた手紙です。」という意味になります。
ところで、今回出来上がった文は第2章で出来上がった関係代名詞の文とは何が違うのでしょうか。
見比べてみましょう。
第2章:主格の関係代名詞で出来上がった文
I have a dog which has long ears.
第4章:目的格の関係代名詞で出来上がった文
This is a letter which I wrote last night.
それぞれの文を2、3回ずつ声に出して読んでみてください。「ん?なんか違うな。」と思った人は鋭い!
I have a dog which has long ears.
こちらの文は第2章のまとめにも書いたように、関係代名詞のすぐ後に動詞(be動詞 / 一般動詞)が置かれます。
一方で
This is a letter which I wrote last night.
今回出来上がった文は、関係代名詞の後が「他の主語+動詞」の形になっていますね。
これが主格の関係代名詞の文と、今回の目的格の関係代名詞の文との違いです。
また、第3章の文にようにこの文についても関係代名詞は"which"の代わりに"that"を使うことも出来ます。
This is a letter that I wrote last night.
2. 先行詞が「人」の場合
もう1つ、次の例を見てみましょう。
The girl is Miki. (=その女の子はミキです。)
I met her yesterday. (=私は彼女に昨日、会いました。)
この文では”The girl”と”her”をイコール関係と見て、”The girl”を先行詞とします。
“Miki”という名前そのものや、”her”の方を先行詞には出来ないことは前回の内容で解説した通りです。
ひとまず、先行詞の”The girl”までは書いてしまって構いません。
その後、今回は先行詞が”The girl”、つまり人なので関係代名詞は"who"が使えると思うかもしれませんが、今回は関係代名詞"that"を使います。
どうして"that"を使うのか。それは"who"が使えないからです。それはそういうもんなのです。
(ではどうして"who"が使えないのか、そこまで気になる人は『【応用】目的格の関係代名詞』の章をご覧ください。)
ということで、今回は関係代名詞のthatを置いて、その後に2文目の中身を”her”を除いて全て書きます。
The girl that I met yesterday is Miki.
この文の構造は
The girl [ that I met yesterday ] is Miki.
という形ですね。
第2章でも出てきたような、
The girl is Miki.
の文に
I met her yesterday.
の文がちょうど間にはさみ込まれたような文構造ですね。
それでは、この辺で目的格の関係代名詞を使った文をおさらいしておきます。
This is a letter which I wrote last night.
The girl that I met yesterday is Miki.
これらの文の特徴は
① 関係代名詞は先行詞が人のときは”that”、モノのときは”which”を使う。
② 関係代名詞の後にいったん、別の人 / モノ(他の主語)を置いた後に動詞を持ってくること、
またその動詞の形は前に置いた『別の人 / モノ(他の主語)』によって変化するということ。
以上です。
次回、目的格の関係代名詞についてもう少しお話します。