プログレス個別教室

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今日は何の日~6月23日~(3)

前回の続きです。

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沖縄戦

 沖縄戦に関しては、真偽不明のことがらも含めて様々な出来事があったとされています。

もちろんこれに関して検証するのも興味深い勉強になるのではないかとは思いますが、

今回は私自身の知識不足も含めて、これらを扱うのは避けておこうかと思います。

 

 その中でも、根本的に「沖縄戦ではなぜ民間人の犠牲が出てしまったのか。」という問題については、この問題自体もですが、

そもそもの問題として「戦争に、民間人が巻き込まれるのは問題ないのか。」という問題点も重要になってきます。

 

 「何言ってるの?戦争は民間人も巻き込まれるからやっちゃダメなんでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、

実は戦争に関しても明確にルールが決まっており、本来はそのルールに沿って戦闘行為を行う必要があるものです。

 

そのルールとは、難しい用語を使えば「戦時国際法」と言い、陸戦規定、海戦規定、空戦規定と様々あるのですが、

民間人の扱いに関しては主に陸戦規定、空戦規定の中で決められており、特に硫黄島の戦いや沖縄戦の段階ででも決まっていたルールとしては有名なものとして「ハーグ陸戦条約」というものがあります。

 

 それではこのハーグ陸戦条約では民間人の扱いはどうなっているか、少し見てみましょう。

 

  • 第1条:戦争の法規、権利、義務は正規軍にのみ適用されるものではなく、下記条件を満たす民兵義勇兵にも適用される。
    1. 部下の責任を負う指揮官が存在すること。
    2. 遠方から識別可能な固有の徽章を着用していること。
    3. 公然と兵器を携帯していること。
    4. その動作において、戦争法規を遵守していること。
  • 第2条:未だ占領されていない地方の人民でありながら、敵の接近にあたり第1条に従って編成する暇なく、侵入軍隊に抗敵するため自ら兵器を操る者が公然と兵器を携帯し、かつ戦争の法規慣例を遵守する場合はこれを交戦者と認める。
  • 第3条:交戦当事者の兵力は、戦闘員及び非戦闘員をもってこれを編成することができ、敵に捕らえられた場合は二者ともに等しく俘虜の扱いを受ける権利を有する。
  • 第22条:交戦者は害敵手段の選択につき、無制限の権利を有するものではない。
  • 第23条:特別の条約により規定された禁止事項のほか、特に禁止するものは以下の通り。
    1. 毒、または毒を施した兵器の使用。
    2. 敵の国民、または軍に属する者を裏切って殺傷すること。
    3. 兵器を捨て、または自衛手段が尽きて降伏を乞う敵兵を殺傷すること。
    4. 助命しないことを宣言すること。
    5. 不必要な苦痛を与える兵器、投射物、その他の物質を使用すること。
    6. 軍使旗、国旗その他の軍用の標章、敵の制服またはジュネーヴ条約の特殊徽章を濫りに使用すること。
    7. 戦争の必要上、やむを得ない場合を除く敵財産の破壊または押収。
    8. 相手当事国国民の権利及び訴権の消滅、停止または裁判上不受理を宣言すること。

交戦者はまた相手当事国の国民を強制して本国に対する作戦行動に加わらせることができない。戦争開始前その役務に服していた場合といえどもまた同じ。

  • 第24条:奇計、敵情報、地形探査に必要な手段の行使は適法。
  • 第25条:防守されていない都市、集落、住宅または建物は、いかなる手段によってもこれを攻撃または砲撃することはできない。
  • 第26条:攻撃軍隊の指揮官は、強襲の場合を除いて、砲撃を始めるに先立ちその旨官憲に通告するため、施せるだけの一切の手段を尽くさなければならないものとする。 

 

いろいろと引用しましたが、要は「沖縄戦の民間人殺傷は戦時国際法違反である可能性が高い。」ということです。

そして本来ですと、戦時国際法に違反した者は、戦争犯罪を犯した者としてそれぞれの国における軍法会議や相手国による軍事裁判において処罰されることとなります。

もちろんこのハーグ陸戦条約そのものに関しても様々な異論があることは確かです。

例えば民間人と言えども、交戦者が民間人に扮して(偽装して)いる場合等は、その疑いのある者に対して攻撃を加える必要性は出てくるでしょう。

 

また、第二次世界大戦に関してはそもそもこのハーグ陸戦条約の適用は無いという主張もあります。

根本的には、沖縄戦の中においてや、あるいは東京大空襲、広島・長崎への原爆投下に関しても戦争犯罪であり、処罰されるべき対象であるとの主張もあります。

 

 このように、攻撃を加える側としても民間人は戦闘に巻き込まないようにする必要があるという法律があるということです。

したがって、戦争とは本来は戦闘員のみによって行われるべきで、民間人は巻き込まれるべきではないということも言えます。

(もっとも、まさにこの第二次世界大戦、太平洋戦争を契機に総力戦という考え方、

あるいは核兵器の開発というようにこの前提はほぼ崩れることとなったという点が、問題を複雑にしていると言えます。)

 

 こうした規定に基づいて、硫黄島の戦いでは現地の民間人がしっかりと避難を済ませたあとに戦闘が始まったという点では

日本軍、アメリカ軍ともにフェアな戦いであったということが言えるでしょう。

 

しかしながら、沖縄戦においてはこの民間人の避難が上手く行かなかったという点が「悲劇の沖縄戦」を生んだ大きな理由の1つであったと言えます。

それでは「なぜ、沖縄戦では民間人の避難が上手く行かなかったのか。」という点においては、様々な理由が考えられますが、

その1つとしては「アメリカ軍の上陸、侵攻が日本軍の予想進路に反して行われた。」という点でしょうか。

 

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沖縄市役所『沖縄戦の実相』https://www.city.okinawa.okinawa.jp/heiwanohi/2524/2526より引用)

 

 日本軍は当初、「アメリカ軍は沖縄本島の一番南の海岸から上陸してくる。」との目論見のもと、

沖縄南部の民間人を中心に北上させるかたちで避難をすすめていました。

 

しかし、実際にアメリカ軍が上陸したのは沖縄本島の中部付近、今で言う読谷村のあたりの海岸からでした。

これにより、南部から北に向かって避難をすすめていた民間人は完全に行く手を阻まれたかたちとなり、

戦闘に巻き込まれることとなったという経緯があります。

 

もちろんこれ以外にも様々な要因により、民間人が悲惨な戦闘に巻き込まれたという歴史的事実はありますが、

これについては中学生、高校生の方も比較的、よくご存知でいらっしゃるようですので敢えてここで言及することは避けておきます。

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