中学2年生向けのお話(2)
今回は前回にお話した各項目について詳しくお話しましょう。
① 受験は、人との競争であるということ。
「何を今さら言ってるの?」と思う人もいるかもしれませんが、受験は決められた募集定員の枠を点数で競ういわば「椅子取りゲーム」です。
高校受験では例えば募集定員が320人であれば320個の椅子を競って点数で勝負するということになります。
推薦入試になればその椅子が40個になったりします。
相手がいる競争ということになるので、そこでは当然、「自分がどれだけがんばったか。」ということも重要ですが、
それ以上に「他の人とくらべて、自分ががんばれているか。」というところが重要になってきます。
つまり、例えば自分が毎日100の量の勉強しているとしても、周りの人が120の量の勉強をしていたならば、それは不十分ということになるわけです。
そのときは自分も120の量、勉強して初めて互角に勝負できる状態、150できればようやく周りに差をつけられるということになります。
別の考え方をすれば、高校受験を含めた受験については、『合格』という以外に明確なゴールは無いということです。
500時間勉強すれば良いですとか、1000時間勉強すれば完璧!などというお話はありません。
更に言えば、人によって必要な勉強量は変わってくるということも言えます。
極端な例として、兵庫県の公立高校入試において、
通知表オール5の人(内申点250点中250点!)が内申点+筆記試験で、500点中270点取れれば合格できるA高校を志望したとすれば、
その人は実際に1日30分の受験勉強でも十分に合格できてしまうかもしれません。
しかしながら、通知表がオール2(この場合は通知表は250点中100点になりますね)
の人が同じく内申点+筆記試験で500点中270点取れれば合格できるA高校を志望した場合、筆記試験であと170点を取らないといけません。
これはおおむね筆記試験で全科目7割程度(100点満点換算すると70点程度)取らないといけないということとなり、
このためには恐らくは相当の受験勉強の時間が必要になるのではないかと思います。
② 特に高校受験では、内申点が合否を決める大きな要素になるということ。
こうしたお話をすると、「高校受験って不公平なんだね。」と言う人もいるかもしれませんが、
内申点とはそもそも、「どれだけ中学校のお勉強に真面目に取り組んだか。」にある程度は比例するものであると言えます。
すなわち、「多少、テストの点数が良くなくとも普段がんばっている子は評価してあげますよ。」というのがそもそもの内申点制度であると言えます。
公立高校の入試制度は、もちろん賛否はあるもののこうした内申点制度によって単に「勉強がよく出来るかどうか」のみを評価する制度ではないということが言えるのではないかと思います。
兵庫県の公立入試制度は、実に250 / 500が内申点を占め、これは他の都道府県よりも大きな割合となっています。
そういう点では、兵庫県の公立入試制度は単に頭の良さだけを測る試験ではないということが言えます。
先ほども申し上げましたように、兵庫県は内申点5割、当日の筆記試験5割の点数配分で公立高校の合否が決まります。
他の都道府県では内申点4割、当日の筆記試験6割という都道府県が多いようですので
兵庫県の公立入試制度は内申点の割合が他の都道府県とくらべてかなり高いということが言えます。
実に公立高校入試の半分が内申点で決まるということとなります。
この内申点は、正に通知表の5段階評価で計算されます(国語、数学、社会、理科、英語の5段階評価を合計して4倍した数値+技術家庭科、保健体育、美術、音楽の5段階評価を合計して7.5倍した数値)。
これだけでも内申点の重要性を理解してもらえるのではないでしょうか。
次回に続きます。